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MESSAGE
河原﨑辰也からのメッセージ
魂の演奏。
2011年6月22日
朝っぱらから佐々木が電話をかけてきた。
内容は俺たちが敬愛するバンドのメンバー、クラレンスクレモンズというSAX奏者が亡くなったというものだった。
もちろん俺自身もショックだったし、心から感謝と冥福を捧げた。
と同時に俺は電話をかけてくれた佐々木の心にある10代に感動した。
なぜならば、偉大な人物が亡くなったその内容は、その時間ではなくても、あるいは電話じゃなくてもいい。
だけれども、心の衝動に素直に反応し、直ちに連絡をくれたのだ。
そんな気持ちをもって今を生きられるって素晴らしいことだと思う。
俺たちは16の頃から一緒に過ごしてきた。
夜通し歌ったり、話したり、くだらないことに死ぬほど真剣になって、バカをやった。
学校を出て社会の仕組みに叩きのめされながら、分別くさい大人になっていく。そう、それが当然なのかもしれない。
もちろん俺も佐々木も、そんなことは百も承知。
だからこそ16の頃の気持ちを失わずに、いや、失う場面があったとしても、心のどこかで持ち続けることが尊いことなのだと思う。
その心はアーティストにとって、もちろんアーティストに限らず自分の人生と戦うものにとって必要不可欠なのだ。
蒲原も、服部も、共通するものをもっている。
いい演奏ができたときの顔はガキんちょだ。
なにかに怒り、常に上をみて、現実を切り裂き、今、共にバカをやれることを誇りに思う。
バンドとは永遠ではない。
だからこそ共に演奏するとき、共にステージに立つとき、自分のもてるすべてを捧げ、その人間にしか出せない魂の音を奏でることに懸けるのだ。