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MESSAGE
河原﨑辰也からのメッセージ
強くなっていく。
2010年10月27日
僕は仲の良いバンドやミュージシャンはいない。
音楽という土俵で戦うもの同士が仲良くする必要なんてない。
日本の教育は、みんなと仲良くしましょうだ。
輪(和)を乱すやつはNO。ダメなやつ、危険なやつ、と言われる。
「いい人」になれと。
今は勝負事でも、成績でも、差別するなとか、優劣をつけるなとか、それぞれの個性を尊重しろとかいう。
人と仲良くするのが悪いと言うわけではないが、勝負の世界、学校をでたら待っている社会では、勝ち負け、優劣はあたりまえだ。
それに表面上だけ仲良くやる「いい人」に、個性なんて生まれはしない。
学生で野球をやってたときも「お前なんて使いもんにならねぇ」
「いっぺん死ね」
「役たたずが」
というような言葉や暴力を数えきれないほど浴びた。
もちろんそれがいいことではないが、上手くなりたい、強くなりたいという力になったのは事実。
それに今は感謝している。何故なら戦い続ける以上、一生言われることだからだ。
「お前の歌なんてどうせ売れない」
「聞きたくもない」「ダメだって」
「やめろ」「かえれ」「いいかげんにしろ」
言われて初めて、どうしたらいいと真剣に悩み、努力し精神も技術も磨かれていくんだろう。
僕も悔しくて忘れられない言葉や場面はたくさんある。
料理人だって、「まずい」と言われたら努力するはず。だって客がこなかったら潰れてしまう。
情け容赦ないことを人は言うもの。
もちろんお金を支払う客なら言う権利もある。
「なんとかしなければ」、「この屈辱を跳ね返したい。」そうやって強くなるんだろう。
なのに、同じ土俵の敵とも仲良くやろうとするやつがいる。
そんなのチャンチャラだね。
本当の連帯なんか生まれない。
本気で戦うもの同士にしかわからないもの。
傷をもったもの同士しか通じないものがある。
それは仲良くしようなんてしなくても、惹かれあうものだ。
仕事から受ける強烈な傷、家族や家庭や恋や友から受ける強烈な傷。
真剣に生きれば生きるほど、さまざまな強烈な衝撃がある。
だから
もっと強くなろう。
もっと強くなろう。
もっと強くなろう。
弱いからこそ、人は強くなれる。