MESSAGE

河原﨑辰也からのメッセージ

男なら強くなれ。

2010年9月27日

ある二十歳ぐらいの青年と話をした。

「夢はあるか?」と問いかけると彼は、
「ないんです。」と応えた。
でもその青年の目は死んじゃいなかった。
なぜなら彼は昼間も夜中も働き、とにかく「仕事をするのが好き」だと生きた目で言うのだ。

とても立派だと思った。

夢のためとか、好きな女のためとか、趣味のためとかそんな理由があろうがなかろうが、自分の力をなにかの役にたたせようと懸命になっている。

普段、僕も「夢がなきゃだめだ」とか「なにかのために頑張れ」とか、知らず知らずに大義名分や意味や理由を押し付けたり、それに縛られたり、かっこつけたりしている。

もちろんそれも大切だけれど、でもきっともっとシンプルで、
そうやって、なにをやったらいいか今はわからなくても、一生懸命なやつには「夢」もいつか見つかるし、チャンスもおとずれる。
理由や理屈なんて後からでもいい。と
その青年の姿に改めて学び、心に気持ちいいものを感じた。

ほんの数分の会話だったが、彼も僕も笑顔で「ありがとう」と言って別れた。

がむしゃらに頑張ること。ありがたいことに僕には夢がある。
ギターでみちなき道を掻き分け進む。

昔、戦争にいったじいちゃんが、泣いてる僕に、「男だったら強くなれ」と言っていたのを思い出す。
きっと小さい頃誰もが、「男の子なら泣かない」とか「男の子なんだから」とかいわれたはずだ。

最近の若い男は弱いと誰もが言う。

たしかにそうかもしれない。
だけど絶滅の危機に瀕していてもまだ本物の男はいる。
それと同様、男とはなにかをわかっている本物の女もきっといる。

「今どきの若いやつは…」なんて一まとめにされたら、怒鳴りつけるぐらいの迫力をもっていこう。

いい男の目をした青年に乾杯。